本文へ移動

介護に携わる想い

はじめに

介護のお仕事についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
固定的なイメージを持たれている方も少なくないのではないかと思います。
お世話をされる方だけでなく、お世話をさせていただく職員にも、それぞれの人生があり、それぞれの想いがあります。
しかしながら、それを知っていただく機会があまりありません。
我々は、介護のお仕事をさせていただくことで感じたそれぞれの想いを文章にしてみました。
ぜひ、ご一読ください。
我々の仕事が、決して固定的なイメージで捉われるものではないことを知っていただければ幸いです。
 
                                      グループホームすずらん
 

一番印象に残っているI様の話

一番印象に残っているI様の話
グループホーム すずらん
介護福祉士 新居 大
介護の仕事を始めて今年で16年目です。
今のグループホームで働き始めて14年が経ちました。
色々な方の介護に携わらせて頂きましたが、一番印象に残っているのが最初のI様です。
以前は老健に勤めていたため、入居者様と関わる時間も少なかったのですが、グループホームのような少人数の介護をするのは初めてで、関わる時間がとても多く、最初はどのように接していいのか戸惑う事が多くありました。
I様は教師をしていたこともあり、きちんとされた方でしたが、認知症の進行から、色々な事が出来なくなり、怒る事もありました。それゆえ怒った事を自分で反省され、またわかっている部分とわからなくなっている部分とが見受けられ、非常に混乱されているように見えました。
私は、20代だった事もあり、生徒に見えたのか、「こうしなくては、だめでしょう。」「しっかりして下さい。」と先生の口調になる時もしばしばあり、介護に悪戦苦闘していました。
特に、夜勤中は1人対応ということもあり、怒ると何もさせてもらえないことがよくありました。でも、こっそり様子を伺うと、頭を抱えて考えている時があり、「どうしました?」と声を掛けると「悪かったわね。」と混乱している様子を見せる事がありました。何もわからないのではなく、その方は、一生懸命理解しようとしてくれていたのです。
その後は、徐々に穏やかになられ介護をさせてくれるようになりました。
I様には、介護の色々な事を教えて頂きました。ただお世話をさせていただくだけでなく、その方に寄り添うことの大切さも学ばせて頂きました。
介護のイメージは、難しくきついイメージがあると思いますが、働いている側からすると、色々な事を考えつつも案外、自由に出来る事も多く、やりがいはあるといえます。
入居者様が困っている事に、色々な角度から考え、実践していき、失敗する事もありますが、上手くいった時は、本当にうれしくやりがいを感じます。
例えば、お年寄りになると目が不自由になり、お茶碗の中のご飯が見えない時があります。いつも、ご飯だけを残されている方がいたのですが、中身が白いお茶碗では、見えていないのではないかと考え、お茶碗の中が黒い物に替えると、お米を認識して食べていただけるようになりました。
仕事なので、しんどい部分もありますが他には無い、自由な発想を実践できる場があります。今後も、入居者様に寄り添い介護を行っていきたいです。

生活を共にして・・・

生活を共にして・・・       
                                        グループホームすずらん
                          多田 美津子
 
 
グループホームで仕事を始めて14年程になります。認知症の方との生活を日々共にしており、大変な事も多々ありますが、振り返れば楽しい事、教えて頂いたことがたくさんありました。
 
M様は毎年7月になると「半夏やなぁ~、昔は農繁期が終わる頃に『とりつけ団子』を作って食べるんやぁ~」と話を聞かせてくれました。今年もカレンダーを見ると『7月2日半夏生』と書かれていました。最近は農繁期と言う言葉も聞きなれず、ましてや「半夏」とは何のこっちゃと思いましたが、職員はその方の言葉を聞き逃しません。早速、白玉粉で団子を作り、あんこを絡ませました。何で『とりつけ団子』と言うのか尋ねましたが、返事はなしでした。それからは毎年7月の半夏の日は『とりつけ団子』作ります。皆さん団子は大好きで喜ばれます。
 
A様は楽しい方でいつも「オホホホ~」と声を出して笑われる方でした。ある朝、日常着に更衣しトイレに行き用を済ませズボンを挙げる際、ズボン下が上手く挙がらずおかしいなと思い確認すると肌着のシャツを履かれていました。袖に足を通し、股の部分はシャツの首周りなのでぽっかり空いており、その部分からリハパンを下げ上手く排泄をしていました。本人は違和感なく着ており、なるほどこの着方も便利かなぁ・・・と少し思いました。
 
徐々にADLも落ち、座位姿勢が身体的に負担となり、ベッドでの生活になりましたが、居室の清掃時、食事や排泄、入浴介助の都度、常に職員は声かけを心がけニュースなどを話したり、とにかく話しかけを続けていました。「は~い」「なんですか~」と目は閉じているのに返事を返してくれるときもありました。
面会に来られた家族様が「スタッフさんの声には反応があるね~」と家族様をションボリさせる場面もありました。
 
手を擦ったり、顔をなでたり、最後まで声かけをしてその方の今までの人生の労をねぎらい、穏やかな最後を共に過ごさせて頂いた経験は私の大事な宝物です。介護の仕事を続ける自信にもなりました。ありがとうございます。
 
 

利用者様より学ぶこと

 
利用者様より学ぶこと
グループホームすずらん
A.Y.
介護福祉士として働き始めて12年が経ちました。うち2年間は育児休暇を頂いた為10年間にはなりますが思い返せば楽しい事、つらい事たくさんありました。しかし、10年続けられ成長できているのも利用者様のおかげであると思います。
20歳で働き始め、まず最初に苦労したのは「讃岐弁」でした。私の両親は香川県民では無かった為、「あんた何がでっきょんな」と言われた時には「え?何もしてないよ」と答えることしかできず当時はコミュニケーションをとる事に苦労しました。わからない讃岐弁は「それどういう意味?」と聞く事により自分も勉強になり自然とコミュニケーションにも繋がり利用者様も快く教えてくれ今では自分が讃岐弁を話しているなんて当時は思いもしませんでした。
先日もM様と園芸センターへ梅見学に行きました。蝋梅がまだ咲いており見ていると、M様は「あんた、ちょっと匂ってみ~ええ匂いがするんやで~」と教えてくれ、私は蝋梅に匂いがあるなんて知りもしませんでした。M様は梅だけでは無く他の花についても良く知っており都度私に教えてくれました。日々の何気ない事でも利用者様から教えて頂くことはたくさんあります。認知症により出掛けたことや数時間前にあった事を忘れてしまうことがあっても、昔ご自身が行ってきた事や知恵はしっかりと覚えており若い私たちに教えてくれ驚く事もたくさんあります。
昨年、1年間の育児休暇を終え復帰しましたが、K様は私の事を覚えていてくれ「あんたが帰ってくるの待っとったでー」と言って下さった時に改めて介護を続けて良かったな、待ってくれている人が居るんだなとやりがいを感じると同時にまた頑張ろうと思う事ができました。
私は認知症だからわからない、できないと思うのではなく、今後も人生の先輩として教えて頂いたことを吸収しながら自分も成長し利用者様に感謝の気持ちを忘れず、またその方に寄り添った介護ができるよう努めていきたいと思います。

介護職を通して思うこと

~介護職を通して思うこと~
                               グループホームすずらん
                                     M.Y.

私は高校生の頃に祖父を病気で亡くしたことがきっかけとなり、介護の仕事に興味を持ちました。
専門学校に進み実習を通して身体介護を学ぶことは勿論のこと、入所者の方々からも関わり方についてたくさん学ばせていただきました。そして、一人一人に寄り添った介護を目指して期待をもって介護の世界へ飛び込みました。
 初めて勤めた職場は老人保健介護施設でした。最初は業務を覚えることに精一杯で、気がつくと淡々と一日の業務をこなしている自分がいました。寄り添った介護どころか業務に追われている状況でした。職員全員がその様な状況であることから、入所者と関わる時間は殆どなく、関わろうものなら「あの子、仕事さぼって年寄りと喋っとるわ!」と嫌味を言われる始末…。不穏になり落ち着かない入所者に「今さっき言うたやろ!」・「何しょん!」
・「今トイレ行ったのに、また行っきょる!」と強い口調で対応する場面を何度も目撃したものの、業務に追われている日常を思うと否定もできず…。
そんな日常に違和感を持ち、もっと家庭に近い環境で心にゆとりを持って関われるグループホームに職場を移しました。
家庭的な介護…時間に縛られず、できるだけ個人の生活リズムに沿っての共同生活を介護職員とともに送るということは、流れ作業のように毎日決まった時間に決まった業務を行っていた私にっとって、慣れるまでには精神的にきつく感じていました。“認知症”と言ってもみんなが同じ症状ではありません。当たり前ですが、それぞれ生きてきた環境も違えば性格も違います。グループホームのリズムに慣れてきた頃には、良いところも悪いところもその人の個性と捉え、まず自分ならどう思うか?自分ならどしてもらいたいか?と自分に置き換えて考える。その人の立場に立って考えることを常に思いながら行動することを心掛けるようになりました。
入居者の方々は私の2倍の人生を過ごし、いろんな経験をされてきた人生の先輩です。
過去の経験を話してくださる時の皆さんは、生き生きとした表情をされています。
病状は個々に違えども、その人らしく…また他者との関わりを上手に持ち生き生きとした生活を送っていただけるよう、私も初心を忘れず今後も努めたいと思っています。
認知症の方にとって頭に浮かんだ出来事が、今その時の現実の世界であり、対応に困るときもありますが、まず私たちが心にゆとりを持って接することを心掛けることが必要だと実感しています。 皆さんとても心には敏感です。少しでも迷いのある返答をすれば、すぐに見抜かれます(笑)。時には自分の失敗で落ち込むこともありますが、一日終わるとリセットされ、また同じトークで笑いが起こる…そんな入居者の笑顔に救われる日々です。
人生の先輩として尊敬の気持ちを忘れず、これからも関わっていきたいと思います。
身体的・精神的にも大変な職業ではありますが、私はこの仕事が大好きです。

まえだ整形外科 外科医院
〒762-0007
香川県坂出市室町3丁目1-13
TEL.0877-46-5056
FAX.0877-46-5421

1
7
9
5
2
4
TOPへ戻る